Saki Nishikubo

Japan, Tokyo, 23years old

5月29日

 

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5月29日は、幸福の日だ。

 

パンパンになったスーパーの袋を提げて、
いつもの道を家まで歩く。

 

履き慣れたジーンズの少し折った裾は、よく見たら左右がまったくの非対称。家に着いてもきっと直さないんだろう。

 

真っ直ぐに道は続く。

 


日が暮れかけた街では、すれ違う人たちが幸せそうに見える。
朝はしかめっ面してたおじさんも、神妙な顔してたあの人も、
みんなもうほかほかの夜ごはんのことしか考えてなかったらいいのにな。


何も考えてないのに、私の足は私を家へと運ぶ。

 

帰巣本能は人にもあるのかと考える。

もし地球の裏側に置いていかれても、一秒でもいいから早く、ここに帰ってきたいな。

 


もういい加減に枯れてきた花瓶の花をいよいよ整理すると、散りかけた茎にまだ咲いてない、だけどもうすぐ咲きそうなつぼみ。

やれやれと、勢い良く水切り。

透明な花瓶にぎこちなく入ったそいつは、5秒後からは主役の顔つき。

 
神様、今日だけでもいいから、
どうかみんなに、自分だけのハッピーな一日を。

 

 

聞き慣れたフォービートの音楽。
午後八時の少し前、幸せの欠伸を咬みころす。

 

まだ終わらない幸福の一日は、いつも通りの一日だった。

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