Saki Nishikubo

Japan, Tokyo, 23years old

どこかの街の、だれかのシリーズ

 

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今日は朝から小雨だった。

昨日の夜から張り切って、いつもより15分早く会社に着く予定だったのにな。

こんな日に限って寝坊する僕っていつもなんというかひとりで空回りしてるみたいだな。

 

今日は会社休もうかなぁって小さな声で呟いてみる。この街ではそんな僕のかぼそいさけび声も一瞬で足音に消される。

 

下ろしたての革靴は雨に濡れるけど、こんなことならいっそのこと、雨で寝癖が直ればいいのにと、思い切って雨に濡れる。

 

ゆらゆら動く傘の群れを、縫うように歩く。

半径1km以内の世界だったら傘を持たない僕が今は最強だ。食物連鎖のピラミッドの最頂点。怖いものなんてなんにもない野生の王者。

巨大マリオになってみんなを見下ろした僕は軽快なリズムでこの世界の星をゲットする。僕だけのラッキータイム。

 

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昨日の夜僕は一人部屋で静かにラジオを聴いていたんだ。中学生の時から使ってるラジカセ。でかいし重いし、電波も全然キャッチしてくれないし、そもそも最近アンテナなんてものすら全然見ないって話なんだけど。

 

青春の思い出の大事な一部分にするにはこのラジカセ、大した思い出もないんだよね。だって僕は自分の話、面白おかしく投稿できるような人間でもなかったし、そもそもペンネームすら自分でつけられないんだから。どうしたもんか。

 

 

ーたまには自分で決めたら??

怒り心頭のあいつの声が響く。

僕はいつも優柔不断らしい。

だってさ、結婚とかそんな人生の一大事、そんな簡単に決められるもんじゃないじゃん。

 

ー少し考えます、とかよく言うけどさ。考える時間なんてあってもなくても同じなんだから、直感で決めればいいの。

って君は言うけれど、僕ってさ、直感で全部上手くいくほどの強運の持ち主でもないし、おみくじも、ジャンケンも、二択のクイズでさえも外しちゃうぐらい、ことごとく神様に意地悪されてる人生なんだ。

だから君には、いつも隣で僕の選ぶべきこと、いつもみたいにパッパと決めてほしいんだけど。

毎年の初詣ではおみくじも代わりに引いてくれるかな?男らしく付いて来いよなんて言えるような僕じゃないって、君が一番知ってるでしょ?

 

いつだって、大切なことは陽気に伝えるべきだ ってどっかで聞いた台詞みたいに、いつもの調子でふざけて君に二回目の告白したら、きっと怒るんだろうな。

 

そんなことぼんやり考えてたら、いつもの改札。

会社まであと二分。

扉を開けたら次のステージのはじまり。

僕のこの人生、トゥービーコンティニュー