22時を少し回ったぐらいのけだるい帰り道、
コツン と小さな音が聞こえた
足元を小石が転がっていく。
いつも歩いていた砂利道、学校からの帰り道。
ルールは極めて簡単で、交互に一蹴りずつ。
ころころ転がる石を追いかけながら帰る田舎道。
また明日、と、あの子が家に帰ってからは、一人で石を蹴り続ける。
どこかに飛んでっちゃわないように、慎重に。
最後の一蹴り、思い切り蹴飛ばそうか、と思うけど、ゆっくりと転がって草むらでフィニッシュ。明日にはもう見つからないのだけど。
一緒に石ころを蹴ってたのは誰なのか、もう思い出せない。
車に轢かれたすずめをたしか一緒に埋めたのも誰か、もう思い出せないな。